賃貸アパートの『災害対策』とは
建築知識
2022.02.08
地震から建物を守るには?
■建物が揺れるメカニズム
外に出ていた時の地震はそう大きく感じられなかったのに、実は大きな地震であったということがありませんか?建物が揺れる要素はバランスにより異なります。
(設計基準・質量・剛性・高さ・固有周期・地盤・地震波の性質)
■住宅の耐震設計基準
建築基準法上の設計基準は、中規模地震時は200gal想定で建物が壊れない大規模地震時は400gal想定で倒壊せず居住者の生命を守るというようになっています。
しかし、建物が壊れるかどうかは、他にもいろいろな要素が関わっています。
地震の大きさ 設計基準 地域係数 共振 地盤の硬さ 地震力
(中・大地震) (固有周期)
80・400gal ・0.7〜1.0 ・1.0〜2.5・0.4〜0.8
例:建物による揺れの違い
建物① 400gal ×1.0 ×2.5 ×0.8 =800gal
関東大震災 東京 木造 軟弱地盤 ×建物重量
建物② 400gal ×1.0 ×1.0 ×0.4 =160gal
関東大震災 東京 高層ビル 固い地盤 ×建物重量
Point:設計基準・重さ・剛性・共振・地盤
共振
固有周期の違いにより、共振の度合いが変わり、地震力には1.0〜2.5倍の違いが生まれます。
共振が高い固有周期
阪神・淡路大震災 0.2〜2.0秒 住宅〜中規模ビルまで倒壊あり
東日本大震災 0.1 〜0.5秒 同じ住宅でも差がありました。
耐震設計のポイント
必要な要素がバランスよく整っていることが大切です。
部分的に値が大きくても耐震性に優れているわけではないのです。