アパート建設を検討する際、最も重要な課題のひとつが「建設費」です。
「少しでもアパートの建設費用を抑えたい」と考えている方も、少なくないのではないでしょうか。
建設費を抑えることができれば、その後のローンの負担を軽減したり、他の箇所にその分の資金を充てることができます。
この記事では、アパート建設費用を抑えるための方法と注意点ついて解説します。
アパート建設のコストが高くなる主な理由

ここでは、アパートの建設費を削減するために、まずは知っておきたい、建設費の内訳と、費用が変動する要因について解説します。
建築費の内訳
建設費は、主に次の項目で構成されています。
- 本体工事費:建物の基礎及び本体の施工費
- 付帯工事費:給排水工事、ガス工事、電気の引き込み、外構工事など
- 設計費:建築士やデザイナーに支払う費用
- 外構費:駐車場、庭など
- 諸費用:許可申請費用、登記費用など
項目ごとにコストを見直すことで、建設費を適切に抑えることができます。
構造によるコストの差
アパートの建設費用は構造ごとにも大幅に異なります。
RC造(鉄筋コンクリート造)は、遮音性の高さや建物の重厚感に強みがありますが、建物が重くなりやすく、基礎工事を含めて建設費が高くなる傾向があります。
木造は、初期費用を抑えやすい一方で、耐久性や将来的な修繕費には注意が必要です。建てるときのコストだけでなく、長く維持する視点で判断することが大切です。また、賃貸の面においても鉄骨やRC造より、家賃が安い傾向があります。
鉄骨造は、耐震性や耐久性を確保しやすく、コストと性能のバランスが取りやすい構造です。RC造より建設費を抑えやすいケースも多く、アパート建築では検討しやすい選択肢です。
床面積と規模
アパートの床面積や規模によって、必要な建築費用が大きく変動します。ここでは、床面積ごとのアパートの規模感について、解説します。
- 小規模(30〜60坪):ワンルーム中心のアパート
- 中規模(60〜100坪):複数タイプの住戸や駐車場を確保
- 大規模(100坪以上):多階層や商業施設併設など
規模を大きくすることで、単価は下がりますが、総費用が増加するため、将来的な運営も加味しながら、計画的に決めることが重要です。
地域別価格差
建設費用は地域によっても変動します。都市部では土地代が高いため、建設費用も高くなりがちです。地方では土地が安価な分、建設費が比較的安くなることがあります。
坪単価でわかるアパート建設コストの目安
費用に影響する要素が分かったところで、アパート建設費用の目安について、解説します。
坪単価の目安
アパート建設の坪単価の目安
- 鉄骨造:100~160万円
- RC造:160~200万円
- 木造:80~100万円
※上記はあくまで目安であり、アパート建設の坪単価は社会情勢や、建設を依頼する工務店、ハウスメーカーによって、価格帯が変動します。
アパート建設のコスト削減方法
アパート建設費を抑えるためには、設計段階からの計画が非常に重要です。
無駄なコストを省き、最適な選択をすることで、建設費用を大幅に削減できます。ここでは、実際にコスト削減を実現するための方法と、その具体的な効果を紹介します。
設計をシンプルにする
シンプルな設計にすることで、コストを大幅に抑えることが可能です。シンプルなデザインは施工しやすく、材料費の削減にも繋がります。
- 直線的な設計
凹凸が少なく、直線的な形状にすることで、建築業者の施工難易度が下がります。複雑な形状の場合、余分な材料や時間がかかり、その分コストが上がります。
例えば、複雑な屋根や外壁のデザインにすると、10〜20%のコストが上乗せされる場合もあります。
- 共用部の面積を最小限にする
共用部(廊下、エレベーター、階段など)の面積が広いと、建物全体の面積が増え、材料費や施工費が高くなります。
例えば、共用部をコンパクトに抑えるだけで、全体の建設費が5〜10%削減できる場合があります。
構造を検討する
構造選びは、初期費用だけでなく、長期的な維持費用にも影響します。選ぶ構造によってコストが大きく異なるため、建設費用と将来的な収益をふまえたシミュレーションを行い、最適なバランスを取ることが重要です。
鉄骨造/RC造
鉄骨造やRC造は初期費用が高いものの、耐久性が高く、修繕費用が少なく済むため、長期的に見ればコストを抑えることができます。
例えば、鉄骨造の場合、初期費用が10〜15%高くなる一方、維持費や修繕費は20〜30%低くなることがあります。
木造と比較すると家賃を高く設定できる場合も少なくありません。プロに相談しながらシミュレーションを立ててみましょう。
木造
木造は初期費用が安く、10〜20%安価に済みますが、耐久性に欠け、修繕やメンテナンスが頻繁に必要になります。長期的な維持コストを考慮すると、木造は10〜15%高くなる場合もあるため、慎重に検討することが重要です。
設備のグレードを適正化する
設備のグレードはアパート建設費用の中でも、調整がしやすい部分です。入居者ターゲットに応じ、必要最低限で快適な設備を選び、適正化しましょう。
ターゲットに合わせた設備選定
キッチンやお風呂の設備はターゲットに合わせて、必要最低限のものを選ぶことで、10〜15%のコスト削減が可能です。
一般的な設備仕様で十分
特注ではなく、標準的な仕様を選ぶことで、設備費を10〜20%削減することも可能です。また、標準仕様であれば、将来、故障した場合や交換する場合も安価に済むことが多いです。
設備については複数のものを比較しながら、将来的な保証や耐久性も加味しながら選びましょう。
複数の見積もりを取る
建設会社に見積もりを依頼する際は、必ず複数の業者から見積もりを取り、金額だけでなく、施工内容やアフターサービスも比較することが重要です。
施工内容を比較
同じ仕様でも、業者によって使用する材料や施工方法に差があるため、詳細な内容を確認することが大切です。業者ごとに5〜10%の費用差が生じることもあるため、複数業者から見積もりを取るようにしましょう。
アフターサービスの内容
施工後の保守やメンテナンスが含まれているかどうかを確認し、長期的に安心できる業者を選ぶことも重要です。これにより、将来的なメンテナンス費用を抑えることができます。
アパート建設費用を抑えるためには、省ける部分を把握することと、長期的な視点でのコストバランスを考えることが重要です。
設計のシンプル化や設備の適正化、慎重な構造選びといった方法を実践すれば、10〜30%のコスト削減が可能です。コスト削減だけでなく、品質を保ちながら最適な選択をすることが、将来的なアパート運営の成功にも繋がります。
アパート建設のコスト削減時の注意点

アパートの建設費用を抑える際には、コスト削減が性能や将来に影響を及ぼさないようにすることが重要です。
ここではアパートの建設費用を抑えるときに気を付けておきたい注意点について解説します。
耐久性と修繕費を考慮する
費用を重視するあまり、耐久性を軽視してしまうと、修繕費や交換費用がかさみ、将来的な出費が大きくなってしまう場合があります。
例えば、性能を確認せず、安価な外壁や床材を使用した場合、数年後には汚れや破損が目立ち、修繕のための追加コストが必要になる場合もあります。
このようなコストは、建設時には見えづらいものですが、長期的には大きな影響を及ぼします。
空室リスクも考慮する
コスト削減のために、間取りや設備などを削り過ぎて、住みやすさが損なわれてしまうと、入居者の関心を引けない可能性があります。
設備などを選定する際は、賃貸としての魅力を損なわない範囲で削減を考え、「常に満室」という前提で計画を立てるのではなく、プロとともに立地条件等に応じたシミュレーションを立てておくと安心です。
コストを抑えてアパートの建設を進める際は、長期的な運営を見越して、安さだけを追い求め過ぎず、慎重に検討することが大切です。価格と品質のバランスを取ることで、より安定した収益を得ることができます。
土地条件がアパートの建設コストに与える影響
土地の条件によってもアパート建設費用は大きく異なるため、土地選びも、建設費を左右する重要な要素です。以下のポイントを確認し、コストに与える影響を把握しておきましょう。
不整形地の場合
不整形地とは、四角形ではない不規則な形をした土地のことです。
このような土地では、建物の配置や間取りに工夫が必要で、設計や施工に追加の対応がかかります。そのため、施工費用が高くなりやすいことがあります。また、建設業者によっては、このような土地に対する工事が難しい場合もあります。
アパート建設を考えている土地が不整形地の場合には、不整形地の建設も得意としている、建築会社への相談がおすすめです。
前面道路・接道条件
土地の前面道路の幅や接道条件が悪いと、施工時に資材の搬入や機械の運搬が困難になることがあります。
これにより、工期が延びたり、追加の運搬費用が発生することがあります。特に狭い道路や車両の進入が難しい土地では、これらの条件を改善するために追加の工事が必要となる場合もあります。
まとめ|アパート建設のコスト削減には建築会社への相談から
アパート建設費用を抑えるには、将来性を加味した上で、どの部分を削ることができるのか、判断することが重要です。
立地や時期などによっても条件が変わるため、まずは、アパートの建設を得意とする建築会社に相談し、収支のシミュレーションを立て、見極めを行っていくことがおすすめです。
